「できるだけ多くの人に美味しい海苔を食べてもらいたい」そんな想いを胸に、しのさんは今日も海へ出る。
海面から頭をだした海苔網は、太陽光でしっかりと乾かすことで、アミノ酸が増え、甘みと旨みをしっかり含んだ海苔になる。
この、海苔の風味を引き出す「干出(かんしゅつ)」という作業に、島原沿岸は他の土地に比べ適していると言われています。
ただ、海苔網を乾燥させる間は海苔の成長を止めてしまうため、収穫出来るまでには時間も労力もかかるのですが、「そこは美味しさのためだから」と しのさん。
18歳から海苔をはじめて40数年。
「美味しい海苔をつくる秘訣は〈経験〉よ。何度もえらい目にあって、そこから反省しての繰り返しで今があるけんね」
この海苔には、しのさんが海と育んだ年輪が刻まれている。